『海神(ヘシン)』は韓国で出版された同名小説を原作とした作品で、統一新羅(シルラ)時代(676~935年)に東アジアの海上を制圧し国際貿易を主導したとされる実在の人物・張保皐(チャン・ボゴ)を描いた超大作時代劇だ。
チャン・ボゴには“海上王”という愛称がついているだけに、撮影は太平洋の大海原、中国のタクラマカン砂漠など壮大な自然を舞台にロケが敢行された。
出演陣も豪華で、韓国時代劇のカリスマとされるチェ・スジョン、のちに『朱蒙』で主役を務めることになるソン・イルグクらが物語をグイグイ引っ張っていく。
2005年KBS演技大賞ではチェ・スジョンが最優秀演技賞、ソン・イルグクが優秀演技賞を受賞。平均視聴率も30%を記録し、韓国国内でも人気を博した。
またドラマは国内のみならず、海外でも高く評価され、“ドラマ界のアカデミー賞”ともいわれるアメリカの“エミー賞”のノミネート作品にも選ばれた。
そんな話題性もあって、ドラマが終わったあと、チャン・ボゴが生まれた全羅南道(チョルラナムド)の莞島(ワンド)とその周辺地域は観光地として多くの人々が訪れる人気スポットとなった。
舞台は9世紀の東アジア。朝鮮半島・南端にある清海(チョンヘ)で奴隷として生まれ、造船所で働いていたクンボク(のちのチャン・ボゴ/チェ・スジョン)は、不遇の身から脱して、いつか唐へ渡って自由に生きることを夢見ていた。
子供の頃に知り合ったヨンムン(のちのヨムジャン/ソン・イルグク)に剣術を学び、貴族の娘のチョンファ(スエ)にも恋心を抱いていたクンボクだが、村を襲った海賊が彼の運命を大きく狂わせる。
海賊船を修理したことから父を殺され、クムボクも奴隷として唐へと売り払われてしまう。
だが、そうした辛酸をなめながらも剣の達人へと成長したクムボクは、名をチャン・ボゴと改めて新羅に戻ってくるが、そこで待っていたのはヨンムン率いる海賊団や私腹を肥やして民を苦しめるジャミ夫人(チェ・シラ)ら悪徳貴族たちとの戦いだった。
持ち前の武術と商才を開花させながら、次々と襲いかかる苦境を乗り越えていくチャン・ボゴ。彼は真の自由を手に入れるために戦い、唐・新羅・日本を股にかける東アジアの“海上王”へとのし上がっていく。
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