寡作を貫くキム・ダミが語る演技にかける哲学「本当にやりたいことをやる方が後悔しない」

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キム・ダミの演技には、鋭く尖った方向性がある。それは、並外れた才能を持つ人物を演じるという一貫した軸である。

映画『The Witch/魔女』では韓国版・少女ヒーローのク・ジャユンを、ドラマ『梨泰院クラス』では天才的な頭脳で企業を築くチョ・イソを演じ、強烈な印象を残した。

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年月が経っても、個性的なキャラクターの残像が記憶に焼きついているのは、彼女の卓越した演技力によるものである。

キム・ダミ(写真提供=UAA)

最近配信終了したDisney+シリーズ『ナインパズル』もその流れを継いでいる。

天才的な推理力を持つプロファイラーのユン・イナを演じ、また1つ代表作を更新したとの評価を得ている。

主演クラスの俳優が年間に2作品以上をこなすのが一般的な中、キム・ダミは約2年おきに新作に出演している。量産型ではなく寡作型の女優である。

キム・ダミは最近、ソウル鍾路区のカフェで行われたスポーツソウルとのインタビューにおいて、こう語った。

「時期ごとにやってみたいことがあって、それが自分にぴったりはまる作品だった。作品を選ぶということには常に両面性があるけれど、自分が本当にやりたいことをやる方が後悔が残らないと思う。自分が何に興味を持っているのかをよく考えることが大事だし、そんな心構えを持った俳優でいたい」

『ナイン・パズル』でキム・ダミが演じるユン・イナ(写真提供=ウォルト・ディズニー・カンパニー・コリア)

『ナインパズル』においては、ユン・イナというキャラクターの風変わりさをどのように表現するかが鍵だった。それに関してキム・ダミは次のように語っていた。

「私がこれまで演じた役の中で、最もキャラクター性が濃い役だったと思う。セリフのテンポやリズム、手の動きや体の使い方などを通して、イナの持つ性格を形にしようとした。頭で考えてから話すのではなく、口からそのまま言葉が出るような、直感的でストレートなキャラクターに見せる必要があった。漫画的な雰囲気も取り入れたかった。ネクタイやメガネも、イナにとても合っていると感じた。それらの要素をひとつひとつ組み合わせて、キャラクターを完成させていった」

パートナーである刑事キム・ハンセム(演者ソン・ソック)との関係性にも説得力が求められた。というのも、ハンセムはイナを叔父殺害の有力な容疑者とみなして10年間も追い続けていた人物だったからである。

キム・ダミはその点について次のように説明した。

「10年間も疑い続けていた相手と、どうやって協力関係に変わっていけるのか。感情の変化を事件の節目ごとに少しずつ滲ませるようにした。ハンセムがイナを少しずつ気にかけるシーンを入れることで、関係性を築いていった。物語の終盤では、ハンセムが慕っていた先輩刑事チョンホ(演:キム・ソンギュン)が亡くなり、イナが少しだけ彼を慰められるような関係にまで進展できるように描いた」

キム・ダミ(写真提供=UAA)

キム・ダミは自身を“極端な内向型(極I)”と語るほど内向的な性格であり、人と会うよりも思索の時間を大切にする。ひとりで沈潜する時間の中から浮かび上がる思考の断片を集め、それを演技へと昇華させていく。

それについてキム・ダミは次のように話していた。

「もともと口数が少ない性格でもあるけれど、大衆にはキャラクターとしてだけ見せたいという気持ちもある。作品の中の人物が実際に存在しているかのように見せたいから、たくさん考える。未来のことはあまり考えない。今この瞬間に集中している。今をちゃんとやり切ることが、次へつながると思っている」

『ナインパズル』は2025年におけるDisney+最大の話題作であり、アジア太平洋地域で全シリーズ・映画を通じて最も多く視聴されたコンテンツとなった。

キム・ダミはこの作品について、「最初に観たときは、どこか奇妙で不思議な感覚を覚えるかもしれない。だが、その中にある面白さや見どころがこのシリーズの魅力だと思う。新しい感覚で受け取られる作品になるのではないか」と語っていた。

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