2025年も多くの韓国ドラマが放送されてきて、NetflixやDisney+などでも話題作が配信されている。今回は、10月と11月に配信が放送と配信が始まったドラマから今後始まる予定のドラマを6本紹介しよう。
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『ソウルの家から大企業に通うキム部長の物語』(韓国JTBC放送/Netflix配信)
本作は、韓国社会における人並みという幻想を鋭く描くヒューマンドラマである。
主人公キム・ナクス(演者リュ・スンリョン)は、大企業で25年勤め上げた営業部長。昇進も、家庭も、誰もが羨む完璧な人生を手にした男だ。しかし、積み重ねたはずの幸福が1つずつ崩れ始める。
妻パク・ハジン(演者ミョン・セビン)は、安定と信頼を支えに夫を立ててきた女性。だが、静かな日常の中に少しずつ生じる違和感が、彼女の心を揺らしていく。
「成功」とは何か、「幸せ」とはどこにあるのか。
競争社会に生きる人々の現実と空虚を映し出す、痛烈で繊細な人生劇である。
現在、Netflixで配信中の話題作だ。
『スピリット・フィンガーズ』(韓国TVING放送/Lemino独占配信)
本作は、色のない世界に生きていた少女が“自分だけの色”を見つけていく青春ヒーリングドラマである。
主人公ソン・ウヨン(演者パク・ジフ)は、顔も成績も平凡、自己肯定感は底辺という地味な女子高生。夢も自信もない日々を過ごしていた彼女の前に現れたのが、絵を愛する個性派たちが集うサークル“スピリット・フィンガーズ”であった。
そこには、完璧なルックスで自己愛に満ちたナム・ギジョン(演者チョ・ジュニョン)、人懐っこい笑顔で周囲を明るくするク・ソノ(演者チェ・ボミン)、自由奔放でファッションセンス抜群のナム・グリン(演者パク・ユナ)など、鮮やかな“色”を持つ仲間たちがいた。
彼らとの出会いを通じてウヨンは、友情や恋、家族との絆に悩みながらも、自分自身の価値と向き合い始める。無色だった彼女の世界が少しずつ色づいていく。その過程は、観る者の心にも静かな温もりを灯す。
このドラマは、Leminoにて10月29日16時より独占配信開始。
『ラストサマー 初恋の再生』(韓国KBS2放送/U-NEXT配信)
本作は、幼なじみの男女が“パンドラの箱”のように封印してきた初恋の真実と向き合う“リモデリング・ロマンス”ドラマである。
イ・ジェウクが、明るく快活な弟ペク・ドハと、星座を愛する繊細な兄ペク・ドヨンという一卵性双子を1人2役で演じる。幼い頃、両親の離婚によって離れ離れになった双子は、ドハがアメリカへ、ドヨンが韓国で暮らすことになり、毎年夏の21日間だけ父の家で再会していた。
2人と共に夏を過ごした少女ソン・ハギョンを演じるのはチェ・ソンウン。彼女はドハと衝突しながらも惹かれていくが、限られた時間の中で思いを伝えられず、初恋は終わりを迎える。
時が流れ、大人になったハギョンは、建築家となったドハ、そして姿の見えない兄ドヨンの秘密と向き合うことになる。失われた夏の記憶と再び動き出す恋心が、静かに、そして切なく交錯していく。
初恋の余韻と再生の痛みを織り交ぜた、叙情的なヒューマンロマンスである。
U-NEXTでは韓国放送と同日の11月1日(土)23時より独占配信される。
『捏造された都市』(Disney+「スター」で配信)
本作は、無実の罪で人生を奪われた男が、真犯人に復讐を誓う衝撃のリベンジ・サスペンスである。
主人公パク・テジュン(演者チ・チャンウク)は、誠実で努力家な青年。だが、偶然拾った携帯電話をきっかけに、見知らぬ女性を殺害したとされる強姦殺人事件の容疑者として逮捕され、終身刑を言い渡される。信頼していた社会から一瞬で切り捨てられ、彼の人生は奈落へと突き落とされる。
絶望の中で出会った仲間たちとの絆が、彼に再び立ち上がる力を与える。冤罪に苦しむ人々の現実を知ったテジュンは、真実を暴くため、そして自らの尊厳を取り戻すために、巨大な陰謀の黒幕アン・ヨハン(演者ド・ギョンス)への復讐を誓う。
息をのむアクションと緻密なサスペンスが織りなす本作では、チ・チャンウクが怒りと悲しみを背負う男の壮絶な変化を熱演。対するド・ギョンスは、『100日の郎君様』『THE MOON』などで見せた繊細さを一変させ、冷酷無比なヴィランを体現している。
脚本は『復讐代行人 模範タクシー』のオ・サンホ、演出は『宝くじの不時着』のキム・チャンジュと『国民死刑投票』のパク・シヌが担当。社会派サスペンスとしての重厚さと、極限のアクションスリラーとしての緊張感が融合した。
このドラマは、11月5日よりDisney+のコンテンツブランド「スター」で配信される。
『あなたが殺した』(Netflix配信)
本作は、家庭内暴力という闇に立ち向かう女性たちの葛藤を描いたサスペンスヒューマンドラマである。
デパート名品館で働くウンス(演者チョン・ソニ)は、幼少期に受けた家庭内暴力の記憶を抱えながら生きている。そんな彼女の前に、かつて童話作家として将来を嘱望されながら、暴力的な夫に支配されて地獄のような日々を送る友人ヒス(演者イ・ユミ)が現れる。ウンスはヒスを救うため、そして自らの過去を断ち切るために、危険な決断を下す。
2人が選んだのは、暴力の連鎖を断つための“殺人計画”という極限の道。だが、すべてが終わったはずのその夜、予期せぬ人物の出現によって、完璧だったはずの計画が崩れ始める。
原作は、日本でもドラマ化された奥田英朗の小説『ナオミとカナコ』。韓国版では、緊迫感あふれる心理戦と、現代社会に潜む「沈黙の暴力」を鋭く描き出している。
Netflixにて11月7日より配信開始。
『ダイナマイト・キス』(韓国SBS放送/Netflix配信)
本作は、偶然の再会が運命を揺るがすオフィス・ロマンスコメディである。
ベビー用品会社“マザー”でTFチーム長を務めるコン・ジヒョク(演者チャン・ギヨン)は、冷静な判断力と確実な実行力を兼ね備えたハイスペック男子。完璧な仕事ぶりで周囲の信頼を集めている。
一方、契約社員コ・ダリム(演者アン・ウンジン)は、生計のために“子持ちの母親”と偽って入社した女性。正社員になることだけを目標に、恋愛とは無縁の毎日を送っていた。
しかし、ある日、ジヒョクはかつてキスだけを残して姿を消した忘れられない女性。ダリムと再会する。彼女が既婚者だと誤解したまま、抑えきれない思いに揺れるジヒョク。
一方のダリムも、嘘で固めた日常の中で次第にジヒョクへの想いを募らせていく。
愛と現実、嘘と真実の狭間で心を揺らす2人。思いがけない再会から始まる、ユーモラスで切ない恋の行方を描く注目の話題作である。
11月12日よりNetflixで配信開始となる。
文=大地 康
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