テレビ東京の韓流プレミアで放送中の『トンイ』。9月17日に放送された第33話は、宮中を覆う不気味な病の影をめぐり、トンイ(演者ハン・ヒョジュ)の勇敢な闘いから幕を開けた。
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彼女は命を賭して張禧嬪(チャン・ヒビン/演者イ・ソヨン)に直訴し、3日間という儚く短い調査の猶予を得る。
しかし、その条件はあまりにも苛烈で、失敗すれば自らの命で償わねばならぬという残酷な試練であった。世子の尊い命を守るため、トンイは恐怖を超えて決意を固める。
監察府の仲間と共に真実を探し求める過程で、トンイは水剌間(スラッカン)の女官の手に異変を見出す。
その些細な兆候が、やがて大きな真実へとつながり、疫病の原因が“宮女たちが日々用いるもの”に潜んでいたことを突き止めるのである。その瞬間、彼女の洞察力と執念は光り輝き、闇を裂く灯火のように感じられた。
しかし同じ頃、張禧嬪もまた病の裏に母の影があることを悟る。彼女は粛宗の信頼を取り戻すため、まるでトンイを助けたかのように装いながら、功績を横取りしようと冷酷な策略を練る。その姿は蛇のように狡猾で、権勢を守るためにはどんな手も選ばぬ気迫を放っていた。
一方、オ・ユン(演者チェ・チョロ)はトンイの出自を探るものの、彼女に関する記録がほとんど存在しないことに気づき、不気味な疑念が膨らんでいく。
謎めいた素性は、彼女の周囲に不安の影を濃くし、物語をさらに深遠なものへと導いていった。
その頃、謄録類抄の原本を命懸けで守ったシム・ウンテク(演者キム・ドンユン)を救うため、ソ・ヨンギ(演者チョン・ジニョン)とチャ・チョンス(演者ペ・スビン)は義州へ急行する。
ウンテクはチャン・ヒジェ(演者キム・ユソク)の部下に命を狙われるが、死の淵からチョンスに救い出される。だが安堵する間もなく、清国の使節団が都へ迫っていた。
本来なら彼らはヒジェが渡した偽の謄録類抄を携えているはずであった。しかし、もし世子の誥命を届けに来たのなら、ヒジェ一派の悪事を暴く術は失われ、逆に彼らの権力が一層強固なものとなる危険があった。
第33話は、命を懸けて病の真相を追うトンイの強靭な意志、巧妙に策略を巡らすチャン禧嬪の冷ややかな野心、そして謄録類抄をめぐる権力の暗闘が絡み合う、緊迫感あふれる展開であった。
3日の猶予と清国使節団の動向という2つの鍵が、次なる物語を大きく動かす要となり、視聴者の心をさらに深く物語へと引き込んでいったのである。
文=大地 康
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