韓国時代劇は主人公の子供時代を細かく描く場合がほとんどだ。それゆえ序盤は子役たちの出番になる。
過去の韓国時代劇の名作では、『宮廷女官チャングムの誓い』『善徳女王』『トンイ』『太陽を抱く月』など、まずは第1話から子役たちが物語の導入部を飾っていた。
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特に、子供たちの友愛が描写されることもあるのだが、そういう中で特に印象深かったのが『イ・サン』の序盤であった。
このとき、主人公イ・サンは10歳になっていて、父親の思悼(サド)世子が米びつに閉じ込められて餓死していく場面などが描かれていた。そんなとき、イ・サンが知り合ったのがソン・ソンヨンであり、パク・テスだった。当時、ソン・ソンヨンは女官の見習いであり、パク・テスは内侍(ネシ)になるために宮中に入っていた。
ドラマでは、ソン・ソンヨンとパク・テスがイ・サンと親しくなって、大人になったときの夢などを語り合っていた。本当にこの3人は仲のいい友人同士だった。
実際に大人になると、イ・サン(演者イ・ソジン)は世孫(セソン)として次の国王になっていく立場であった。そして、ソン・ソンヨン(演者ハン・ジミン)は図画署の茶母(タモ)になっていて、イ・サンのことを心から慕っていた。
また、パク・テス(演者イ・ジョンス)はイ・サンの一生の友人となっていき、結局はイ・サンの護衛官として大きな働きをしていく。
実は、パク・テスはソン・ソンヨンのことを心から愛していたのだが、イ・サンを慕う彼女の気持ちを知ってからは、陰ながら応援するようになった。
ソン・ソンヨンは聖女のように性格が純粋な女性であったが、やがてイ・サンが国王になったときに側室として迎えられていく。
結局、『イ・サン』では、子供のときに知り合った3人の友愛は最後まで延々と続いていった。そういう終生の関係を序盤ではっきり示したという意味で、このドラマは1本の筋が明確になった壮大な大河ドラマにもなっていた。
文=大地 康
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