2025年の百想芸術大賞TV部門における最優秀演技賞(男性部門)の候補者たちが、まさに“演技神たちの戦争”を予感させている。ピックアップされたのはビョン・ウソク、イ・ジュニョク、チュ・ジフン、ハン・ソッキュという4人の実力派俳優たちだ。
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それぞれが異なるジャンルと色合いの作品で強烈な存在感を放ち、トロフィーをかけた激突は避けられない状況だ。
●パク・ボゴム―ヤン・グァンシクそのものだった
Netflixシリーズ『おつかれさま』でパク・ボゴムは、愛らしくも反抗的なオ・エスン(演者IU)だけを見つめ続ける青年ヤン・グァンシクを熱演。純情で不器用な夫、そして優しい父親として多彩な面を見せ、視聴者の心をつかんだ。
10歳の頃からただ1人エスンだけを見つめ続け、彼女が「班長から課長、果ては大統領になる」と言えば、自らの夢を“ファーストジェントルマン”に設定するような一途さ。10代から30代までのグァンシクを演じ分けたボゴムの演技は高く評価された。
●ビョン・ウソク―青春の切なさを体現した『先輩、その口紅塗らないで』の顔
tvNドラマ『先輩、その口紅塗らないで』でビョン・ウソクは、若者たちの心を鷲掴みにする大ヒットを記録。演じたリュ・ソンジェは、瑞々しさと切なさを兼ね備えた青年で、説得力ある恋模様が共感を呼んだ。自身のキャリア史上最も強烈なインパクトを残した本作で、初の最優秀賞受賞も現実味を帯びている。
●イ・ジュニョクは―『良いが悪い、ドンジェ』で複雑な感情を描き切る
TVINGオリジナルシリーズ『良いが悪い、ドンジェ』は、名作『秘密の森』シリーズのスピンオフで、過去のスポンサー検事から抜け出して真の検事として認められようとするソ・ドンジェのサバイバル劇を描いた。
シリーズ3作目にして再び同役を演じたイ・ジュニョクは、冷静さと人間的な苦悩を行き来する深い演技で物語の軸を担い、演技人生における新たな頂点を築いたとの評価を受けている。
●チュ・ジフン―『トラウマコード』でまるで本物の医師のように
Netflixオリジナル『トラウマコード』でチュ・ジフンは、生死をさまよう患者を救う外傷外科医をリアリティたっぷりに演じ、作品に緊張感をもたらした中心的存在となった。感情を抑えた演技と圧倒的な存在感は、「彼でなければ成立しない役だった」と言わしめるほどの高評価を得ている。
●ハン・ソッキュ―『こんなに親密な裏切り者』で演技の頂点を証明
MBCドラマ『こんなに親密な裏切り者』では、韓国唯一の警察大出身プロファイラー、チャン・テスを演じ、冷徹な頭脳と深い内面の葛藤を緻密に描き出した。セリフよりも目線で語る演技力は健在で、「演技の匠」と呼ばれる所以を改めて印象づけた。
若手からベテランまで、ジャンルドラマから正統派、地上波からOTTに至るまで、幅広い舞台で最高の成果をあげた4人の競演。受賞者の予想は最後の最後まで読めない。
演技力・話題性・大衆性の三拍子を兼ね備えたこのラインナップは、百想芸術大賞史上最も熾烈な争いとして記憶されることになるだろう。果たして、栄光を手にするのは誰か。授賞式当日まで、その行方に注目が集まる。
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