ここ数年の韓国ドラマ界では、新進のカン・フンが目立った活躍をしている。その中で、彼が出演した3本のドラマをクローズアップしてみよう。
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最初は『赤い袖先』である。このドラマでカン・フンが演じたのは主人公イ・サンの最側近となるホン・ドンノ。この役は、多くの女官たちが憧れる「王宮随一の美男」として描かれていた。
しかし、ただの美男として存在するのではなく、ホン・ドンノは強い出世欲を持つ男であった。カン・フンは、そうした複雑な個性を繊細な表情の変化によって見事に表現した。彼の演技は単なる外見の美しさにとどまらず、キャラクターの内面の深みをも映し出していたのだ。
2本目は『シスターズ』だ。カン・フンが演じたハ・ジョンホは、三姉妹の次女であるインギョン(ナム・ジヒョン)の幼なじみという役である。インギョンは報道記者であり、ソウル市長選挙に出馬予定のエリートの過去に潜む疑惑を追っていた。
ハ・ジョンホは、そんな彼女の協力者として登場し、ミステリアスな展開の中で隠された秘密を解き明かしていった。実際、『シスターズ』の各場面で、カン・フンは鋭い直感を演技に込めて、その存在感を強く印象づけた。
3本目は『コッソンビ 二花院(イファウォン)の秘密』である。カン・フンが扮したキム・シヨルは、一見すると享楽的な人物であった。彼は派手に女遊びをし、賭け事にも熱を上げた。科挙の試験を控えた身でありながら、勉学にはほとんど身を入れないのだ。しかし、キム・シヨルには独特の愛嬌があった。
彼の表情には親しみやすさがにじみ、その場の雰囲気を和らげる天性の柔軟性も備えていた。そんなキャラクターを、カン・フンは実に伸びやかに演じきった。
彼には、キャラクターの内面を繊細に表現する力が備わっていた。時には鋭く、時には柔らかく……さまざまな顔を見せられるのが、カン・フンが持つ多様性なのである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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