意表を突くキャスティングだった。U-NEXTで配信中の『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』のことだ。波乱万丈な人生を歩むヒロインを演じるのが、あのイム・ジヨンだったからだ。彼女は、ソン・ヘギョが主演して大ヒットした『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』で強烈な個性の悪役に扮していた。
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その役はどれほどワルだったか。主人公を高校時代に徹底的にイジメ抜いた少女……その18年後をイム・ジヨンが毒々しく演じていた。
本当に憎たらしいほどの悪役ぶりだった。そのイメージがずっと頭に残っていたので、『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』でイム・ジヨンが主役をやると知って本当に驚いた。それほど、想定外の配役だった。
実際、ドラマが始まってからイム・ジヨンの演技を見るときに、『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』の映像が頭をよぎっていた。しかし、それは第1話の最初だけだった。以後は、先入観を持たずにドラマに没入することができた。とにかく、主役のイム・ジヨンの演技が本当に素晴らしかった。
彼女が扮したヒロインは奴婢のクドクだ。主人から虐待を受けて逃亡し、宿屋の使用人として救われた。そこに、良家の令嬢がやってきて仲良くなった。
しかし、宿屋が盗賊の集団に襲われて令嬢が命を落とした。クドクも意識不明になったが、ようやく目がさめたら、なんと令嬢に成り代わっていた……というのが『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』の始まりだった。
こうしてクドクは令嬢オク・テヨンに生まれ変わり、外知部(ウェジブ/裁判・訴訟の際の弁護人)の優秀な女性として大活躍していく。
こうした展開の中で、イム・ジヨンはオク・テヨンが生き抜く際の憤怒や生命力や英知を存分に表現していた。並みの演技力ではない。間違いなく、著名なドラマ大賞で最優秀演技賞を堂々と獲得できるレベルだ。そうした演技の数々を堪能するなら、U-NEXTでぜひ自分の目で見てみよう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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