以前より韓国では「危機説」が囁かれてきた動画配信サービスのディズニープラスに、千載一遇の好機が訪れつつある。
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その風向きを変えているのが、独占配信中の韓国ドラマ『ジョンニョン:スター誕生』と『悪魔なカノジョは裁判官』だ。
2024年11月2日に最終回を迎えた『悪魔なカノジョは裁判官』は、悪魔がエリート裁判官に憑依し、悪人を裁く痛快なファンタジー・ラブコメ。これまで明るく健気なヒロイン役のイメージが強く、日本でも人気の女優パク・シネが、新たな役柄に挑戦し話題を呼んだ。
一方の『ジョンニョン:スター誕生』は、1950年代を舞台に、少女ジョンニョンがその天性の美声と表現力を武器にスターダムを駆け上がる感動のサクセスストーリー。『愛の不時着』『涙の女王』など世界的大ヒットドラマで知られるスタジオドラゴンが制作を手がけ、『悪鬼』でも主演を務めたキム・テリが主役を担う。
韓国では『悪魔なカノジョは裁判官』と『ジョンニョン:スター誕生』はテレビでも放送され、高視聴率を叩き出した。
『悪魔なカノジョは裁判官』は第6話から二桁の視聴率をキープし、『ジョンニョン:スター誕生』は初回4.8%からスタートするも、12%を突破した第4話から好調だ。2作とも同時間帯トップを獲得したのはもちろん、視聴者からも大きな反響が寄せられた。
話題の二作だが特筆すべきは、2024年の期待作の一つだった『ジョンニョン:スター誕生』だ。
韓国ドラマ史上初めてとなる「女性国劇」を題材にしている。女性国劇とは、1950年代前後に韓国で人気を集めた民族音楽劇の一つで、すべての役を女性たちが演じる韓国版・宝塚歌劇のようなものだ。
その斬新な試みには韓国人のみならず、初めて国劇に触れた海外の視聴者からも高い評価を得ている。
世界最大級の映像コンテンツ情報サイト「IMDb」ではエピソードごとに9.4という高い評点がつけられており、約20分間も公演シーンに費やした第3話に限っては9.7を記録した。
国内外から『ジョンニョン:スター誕生』に熱い視線が注がれている状況は、世界配信を担当するディズニープラスにとっても嬉しいはずだ。
しかも、これはまだ前哨戦にすぎない。これから配信予定の新作ラインナップは、心躍る期待作が目白押しだからだ。
2024年11月からは第29回釜山国際映画祭の招待作にも選ばれた『江南Bサイド』や、ファン待望のシリーズ続編の『熱血司祭2』が配信スタートした。
12月4日からは『ムービング』の原作者が手がける『照明店の客人たち』が配信される。過去のトラウマと向き合い、奮闘する人々の姿を描くミステリアスな人間ドラマで、同名のウェブ漫画を豪華キャストで映像化したものだ。
チュ・ジフン、パク・ボヨンら俳優たちの演技は言わずもがな、ちりばめられた伏線が最後に回収されていく緻密で予想不可能なストーリー展開や、映像化にあたって原作者がこだわった完成度の高さに期待が寄せられている。
さらに、2025年には世界的な人気を誇る俳優たちが主演を務める、ディズニープラスのオリジナル作品が続々と控えている。
『愛の不時着』のヒョンビンが主演する『メイド・イン・コリア』に、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のパク・ウンビンが出演する『ハイパーナイフ 闇の天才外科医』、『涙の女王』の主役キム・スヒョンが挑む『ノックオフ』。話題性抜群の俳優たちを迎え、ディズニープラス内でガチ勝負が始まるといった感じだ。
はたして韓国におけるディズニープラスの運命は…。2025年は、存続を左右する重要な年になりそうだ。
文=李 ハナ
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