Disney+(ディズニープラス)『ムービング』では、息子を思う母親を演じ、好感度を高めたハン・ヒョジュの最新作が悪い意味で話題になっている。
11月27日に公開されたNetflixの映画『毒戦 BELIEVER 2』は、前作と比較される悲運の作品だ。
特に、ハン・ヒョジュが演じたビッグナイフは、前作『毒戦 BELIEVER』のチン・ハリム(故キム・ジュヒョク)、ボリョン(チン・ソヨン)が比較対象となる。ハン・ヒョジュは恐ろしいエネルギーを持つ2人の人物に取って代わらなければならなかった。
チン・ハリムとボリョンはスクリーンの中で生き生きとした悪役を演じきった。セリフも多い訳でもなく、極端な表情と行動で表現したが、どこかに存在しそうなリアルさで好評を集めた。
今回ハン・ヒョジュが扮したビッグナイフにもチン・ハリムとボリョンが見せた強烈な一発が必要だったといえる。
ビッグナイフは“イ先生”の側近であり、麻薬ビジネスの障害になる者を容赦なく始末するキャラクター。劇中、命を落としたとしても観客に安堵感を与えるほどのパフォーマンスが必要だった。
登場までは良かった。ハン・ヒョジュの美貌を完璧に消した汚れた肌と大きな眼鏡、入れ歯で劇的なビジュアル変身を試みた。 手足はもちろん、お腹とわき腹に深く引かれた傷に適度に鍛えられた筋肉まで、ビッグナイフがどんな人生を生きてきたのか想像力を働かせるのに十分だった。
しかし、外見の変化だけで、演技で変身を成し遂げるには、わずかに足りなかったという見解だ。
ハン・ヒョジュはビッグナイフのオーラを生かすことができなかった。恐ろしい印象とは異なり、話し方や行動、目つきに強い力が込められていなかった。ビッグナイフを演じるにはもっと狂気が必要だったのだ。
尊敬するイ先生に一度も認められたことのない侘しさはセリフだけで表現された。
幼い頃に傷を負ったビッグナイフの不安は全身に溢れ出ることはなかった。そのためブライアン(チャ・スンウォン)と対峙する場面は強い印象を残すことはできず、ソ・ヨンラク(オ・スンフン)を殺そうとした時さえ恐怖感が足りなかった。
俳優として新しい顔を見せるというチャレンジ精神は、賛辞に値する。しかし、結果的に残念な気持ちだけが大きく残ってしまった。努力にもかかわらず、成就を垣間見ることができなかった。劇中でビッグナイフは争いを続けた後突然消えた。
前作『毒戦 BELIEVER』のオ・ヨンオク(キム・ソンリョン)のように装置的に活用されたという印象を消すことができなかった。
少なくない出演シーンの中、ビッグナイフが虚しく退場するのは、自ら作った塔を崩すことに他ならない。設定から戦略が間違っていたわけだ。
演出と企画の失敗さえハン・ヒョジュが責任を負うはめになった。『毒戦 BELIEVER2』は、公開直後から酷評が続いている。
独特なプロットを持つ『毒戦 BELIEVER』をありふれた復讐劇に転落させてしまった部分や、平均的なクオリティを前面に出して、結末を好き放題に修正した部分、ソ・ヨンラクとチョ・ウォンホの代わりに他の人物のストーリーを付け足して、突拍子もない人物が最後の勝者になる部分など、『毒戦 BELIEVER』の続編を待ち遠しく思っていたファンをガッカリさせたポイントが多い。
さらに、ハン・ヒョジュの演技も物足りなさを感じさせ、『毒戦 BELIEVER2』に対する低評価を増幅させてしまった。
前へ
次へ