テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『イ・サン』では、7月14日の第43話でキョン・ミリが演じる恵嬪(ヘビン)が感激のうれし涙をこぼしていた。
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これまでの恵嬪は、王宮にいても心が休まる時が一日とてなかった。なにしろ、1762年に夫の思悼世子(サドセジャ)は米びつに閉じ込められて餓死してしまっていたのだ。しかも、夫は罪人として処罰されたので、妻の恵嬪としても本当に肩身が狭かった。
彼女の望みは、息子のイ・サン(イ・ソジン)を立派に育て上げて国王に即位させることだった。しかし、思悼世子を死に追いやった老論派がいつまでも王宮で権力を保ち続け、イ・サンの即位まで徹底的に邪魔をした。それだけに恵嬪としても心配がたえなかった。しかし、ようやくイ・サンが即位できる道筋が整ってきた。
さらに、イ・サンは父の汚名を注ぐために、歴史上に残っている思悼世子の悪い記述を徹底的に削除させた。恵嬪にとってこれほど嬉しいことはなかった。思悼世子を米びつに閉じ込めた父親の英祖(イ・スンジェ)も、恵嬪に対して謝罪をして息子の疑いが完全に晴れたことを伝えてくれた。こうして恵嬪は「もし天国に行った時は夫にとても良い報告ができる」と喜んだ。
思悼世子が世を去ってから14年、恵嬪は耐え忍んだ末に念願を叶えた。そういう恵嬪をキョン・ミリが落ち着いた表情で演じてドラマに重厚感をもたらしていた。
女優として本格的な演技で高い評価を得てきたキョン・ミリの出演作で、今回は『野獣の美女コンシム』と『ピョン・ヒョクの恋』を紹介しよう。
『野獣の美女コンシム』は男女4人が繰り広げるロマンティック・ラブコメディで、キョン・ミリは、オン・ジュワンが演じているスターグループ常務ソク・ジュンスの母親ヨム・テヒを演じていた。
『ピョン・ヒョクの恋』は、何不自由なく育った御曹司が愛する人と周囲の人々に影響を受けて成長するラブコメディだ。
ガンスグループ会長の二男ピョン・ヒョクを「SUPER JUNIOR」のメンバーであるシウォンが演じ、フリーターのペク・ジュンをカン・ソラが演じている。このドラマでキョン・ミリはピョン・ヒョクの母親のチョン・ヨジン役で出演していた。
主に母親役でドラマに出演し、魅力的な演技を見せているキョン・ミリ。彼女の演技は本当に心からすばらしいと感じられるものだった。
文=大地 康
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