時代劇『七日の王妃』ではヨン・ウジンが演じる王子はイ・ヨクと呼ばれたが、歴史的には晋城大君(チンソンデグン)と称された。彼は、イ・ドンゴンが演じる国王・燕山君(ヨンサングン)の異母弟だ。
【写真】『七日の王妃』でパク・ミニョンが演じたヒロインはどこまで突き抜けたのか
この場合、未婚だと王宮の中で暮らしていることが多いのだが、もし結婚すると、王宮を出て別に屋敷を構えて暮らすことになる。
つまり、イ・ヨクはパク・ミニョンが演じるシン・チェギョンと市内に用意された邸宅で夫婦だけで暮らしたのだ。
これは、チェギョンにとっては、とてもありがたいことだっただろう。
もし王族の男子と王宮に住むことになれば、王族女性の長老たちに徹底的に監視される。しかも、起床時と就寝時に目上の人への挨拶もきっちり行なわなければならない。何かと気を遣うことがとても多いのである。
それに比べて、王宮の外で夫婦だけで暮らせば、特に新婦は気分的にとても楽である。シン・チェギョンも重圧を感じる度合いが少なかったはずだ。
なぜ、国王の弟が王宮の外で暮らすのか。
それは、政治的な動きを封じるためである。
燕山君の場合、息子も生まれていて後継ぎには心配が要らなかった。そうなると、国王の弟は政治的な野心で後継者争いを起こさないことが肝心だった。そのためには、王宮の重要人物たちと接触できないようにして、市内でひっそり暮らしてもらったほうがいい。燕山君としても、そのほうが好都合だったのである。
かくして、イ・ヨクとシン・チェギョンは2人だけで仲睦まじく暮らした。
ただし、シン・チェギョンは子供には恵まれなかった。それは、10代後半になっても変わらなかった。
その点で、彼女は多少重圧がかかったかもしれない。とはいえ、十分に彼女は若かった。子供を産むチャンスはあったはずなのに、それは叶わなかった。なぜなら、王妃でいられたのは、わずか7日に過ぎなかったからだ。
シン・チェギョンがイ・ヨクと王宮の外で結婚生活を送れたのは7年だけだった。1506年に起きたクーデターが2人の運命を激変させたのである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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