俳優カン・ドンウォンが是枝裕和監督の新作映画『ベイビー・ブローカー』でスクリーン復帰した。2020年の映画『新感染半島 ファイナル・ステージ』以来2年ぶりとなる。
【関連】『ベイビー・ブローカー』に期待感高まるキャスト陣の「特別なご縁」
「是枝監督の作品にぜひ出演してみたかった」という彼は、「是枝監督に初めてお会いした時は具体的なシノプシスがなかった。それからシノプシスが出来上がって、それを読んですぐに出演を決めた。普段から是枝監督と一緒にお仕事してみたかったから。楽しそうだった」と出演の理由を明かした。
また、「僕は『万引き家族』が大好きだ。それと特に良かったのは『奇跡』だ。面白かった。子供たち明るくて、彼らの純粋な面を本当によく盛り込んだ映画だと思う。そんな映画が珍しい。子役たちも演技がうまかった」と、是枝監督に対するファン心を表わした。
『ベイビー・ブローカー』が今年の「第75回カンヌ国際映画祭」のコンペティション部門に出品され、カン・ドンウォンはソン・ガンホ、イ・ジュヨン、IUらと一緒にフランス・カンヌを訪れた。カンヌでは共演したソン・ガンホが主演男優賞を受賞し、大きな話題を集めた。
「自分が受賞できなくて惜しくはないか」と聞かれた彼は「全然惜しくない。カンヌ映画祭に招待されたことが光栄だ。僕と知り合いの副執行委員長が僕の演技をすごく褒めてくださったので、それだけでも満足だ。ソン・ガンホ先輩が受賞する時、真っ先に拍手できる光栄が僕に与えられて幸せだった。実は先輩の受賞を慎んで予想していたので嬉しかった。監督も喜び、みんなすごく気持ちよかった」と答えている。
また、「カンヌ映画祭は(映画を)作る人々にリスペクトしてくれて印象深い。ドレスアップをして映画を見るというのは韓国にない文化だけど、そこではそういうのがすごく良かった。だから劇場にいらっしゃる方々も映画を尊重する気持ちで鑑賞してくれるみたいだった」と語った。
カンヌから帰国してからは『ベイビー・ブローカー』のプロモーションに集中した言い、「昨日が是枝監督のお誕生日だったので一緒に食事をした。2日間休んだ監督が『焦る』とおっしゃっていて、『僕は数時間休んでも焦る』と答えた」というエピソードも明かした。
カン・ドンウォンが演じたドンス役は喪失感を抱えたキャラクターだが、明るい姿を生かしたかったという。
「ドンスは保育園育ちだが、元気に明るく育った人として表現した。憂鬱そうに描きたくなかった。僕がお会いした方も、保育園出身で幼い頃は反抗もしたそうだけど、シェフになりたがっているすごく明るい方だった。ドンスもそうじゃないかと思って、気楽に自分の仕事をする人に描きたかった」
そして「保育園出身の方々とお話ししてみて感じたのは、彼らが自分なりの痛みを抱えていることだった。僕たちが抱きしめるべき部分があるんじゃないかと思った。切実とも言える彼らの気持ち、家族が欲しい彼らの気持ちを、この映画を通じて共感して欲しい。少しでも彼らの慰めになればと思った。今回の試写会に僕と話し合った(保育園出身の)子も院長と一緒に来た。2人ともすごく泣いたと聞いた。この作品が慰めになってほしい。映画のテーマが軽くはないが、僕たちはできる限り軽く描いていこうとした」というエピソードも披露した。
カン・ドンウォンは今回、ソン・ガンホと映画『義兄弟 SECRET REUNION』以来12年ぶりに再共演した。
「ソン・ガンホ先輩と久しぶりにお会いした。僕もあれから20本ほど作品をやってきて、以前よりも現場でリラックスできる。僕が気楽にやったせいか、先輩ともっと息ぴったりだった。カンヌでは先輩が映画祭のシステムについて説明して下さった。審査委員の経験もお有りなので、彼らがどのように審査を行い、どういう方法で作品を選定し、発表するかという過程を話してくださった」
一方、カン・ドンウォンは6月2日のVIP試写会を訪れたBTSのVにも感謝を伝えた。Vは試写会に出席するためアメリカから先に帰国したという。
「僕のために早く来たのを、Vに会ってから知った。来てくれて本当に嬉しかった。テヒョン(Vの本名)は可愛いトンセン(親しい年下の男性)だ。僕と親しい歌手のパク・ヒョシンから『Vが会いたがっている』と聞いて、彼を通じてVと知り合い、仲良くなった」
歌手、監督、制作者たちと親交を維持する秘訣を聞くと、「僕の性格が悪くないから?(笑)僕は俳優なので人々の話を聞くことが重要だと思う。多様な人々の話を聞きながら自分の中に閉じこもらないようにしている。聞くというのは俳優として重要だ。外交的な性格ではないが、年をとりながら自分の中に閉じこもらないように意識しているので、人々と会話が途切れないんだと思う」と語った。
カン・ドンウォンが出演する映画『ベイビー・ブローカー』は、6月8日韓国公開。日本では6月24日から全国ロードショーとなる。
(記事提供=OSEN)
■【関連】是枝監督の新作映画『ベイビー・ブローカー』が伝えるのは“人類愛”
前へ
次へ