キム・スヒョンが真の「演技者」として覚醒した瞬間は果たしていつ?

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2012年に大ヒットした『太陽を抱く月』で堂々たる主役を演じたキム・スヒョン。大ブレークした彼が次に挑んだのが、『星から来たあなた』のト・ミンジュンという役だった。

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なにしろ、この男は17世紀の朝鮮王朝時代に地球にやってきたエイリアンなのである。しかも、400年以上も不変的な容姿をしており、時間を止めてしまうような異次元的能力を持っている。このように、ドラマの中のキャラクターとして突拍子もない設定の男なのだが、

不思議なことに、キム・スヒョンが冷静かつシニカルに演じると、「こんな男がいてもいいよね」と妙に納得できる部分がある。そこがドラマの狙いなのだが、チョン・ジヒョンという大物女優と堂々と渡り合った25歳のキム・スヒョンは、早くも深淵の世界をのぞかせてくれるような神秘性を演技の中に内包していた。

そういう意味でも、彼ほど演じる役に哲学的な意味づけをできる俳優はきっと稀であることだろう。

キム・スヒョン

「演技者」の領域

もう一つ、演じた役で独特な世界観を見せてくれたのが『サイコだけど大丈夫』であった。

キム・スヒョンは自閉スペクトラム症の兄サンテ(オ・ジョンセの演技が絶賛された)を持つ介護士ムン・ガンテに扮していた。

彼は幼い頃から何でも兄を優先しなければならない生活を通して、感情を極度に抑えて生きてきた。それは人からは生気がないように見えたことだろう。しかし、心の底に溜まった悲しみは無限なほどの広がりを見せていた。

果たして、そんなガンテは何に希望を見い出していかなければならなかったのか。

キム・スヒョンは役作りのために実際に介護士に様々な話を聞き、努力によって表現をいかに深めていけるかを考え抜いたという。

その表現が演じる役の希望につながると彼は信じたのだ。

キム・スヒョンはこう言っている。

「以前は、悲しい演技で視聴者に感動を届けるためには自分自身が悲しみを感じないといけないと思っていました」

けれど、『サイコだけど大丈夫』で撮影を続けていて、俳優キム・スヒョンに微妙な変化が起こった。

「自分自身が悲しみを感じていなくても、見ている人をとても悲しい気持ちにさせて泣かせることができる、と思うようになりました」

このように語る時点で、キム・スヒョンは真の意味で「演技者」の領域に到達したのかもしれない。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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