熱き若手弁護士たちの群像劇、法の現場をリアルに描く『瑞草洞〈ソチョドン〉』の見どころ解説

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U-NEXTで独占配信されている韓国tvNドラマ『瑞草洞〈ソチョドン〉』は、若き弁護士たちの苦闘と成長を描いたドラマである。ソウルの南、瑞草洞といえば、韓国の法律関係者にとっては特別な響きを持つ場所である。

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高層ビル群の一角にそびえるヒョンミンビルには、大小さまざまな法律事務所が軒を連ね、日々数え切れないほどの訴訟や調停、交渉が繰り広げられている。『瑞草洞〈ソチョドン〉』は、そんなリアルな法曹の街を舞台となっている。

このドラマがユニークなのは、派手な逆転劇や過剰な演出ではなく、法律家としての日常、葛藤、そして人間模様にフォーカスしている点だ。

登場人物は1つの事務所に属しているわけではない。ヒョンミンビルの異なるフロアで働く5人のアソシエイト弁護士たちが、それぞれの職場環境の中で奮闘しつつ、昼休みには同じビルの食堂に集まり、互いに愚痴をこぼし、励まし合うシーンが本作の大きな魅力となっている。

中心人物であるアン・ジュヒョンは、理知的な外見と落ち着いた言動で周囲に一目置かれる存在だが、その胸には正義感と理想への情熱が静かに燃えている。

彼の視点を通して、視聴者は法律という冷徹なシステムの中に潜む人間味や矛盾、そして真実に向き合おうとする若き法曹たちの姿を目の当たりにすることになる。

『瑞草洞〈ソチョドン〉』
(写真=韓国tvN)

物語に込められた共感とエール

また、ジュヒョンとは対照的に、4年目の中堅アソシエイトであるチョ・チャンウォンの存在も物語を大きく彩っている。

彼は事務所内外の空気を読み、周囲との潤滑油となるムードメーカーだ。軽妙なユーモアとどこかおせっかいな性格で、緊張が張りつめた法廷ドラマに適度な緩和をもたらすキーパーソンでもある。彼の言動からは、法という堅苦しい枠の中でも人間らしくあることの大切さを感じ取ることができるだろう。

そして、注目すべきは女優ムン・ガヨンの演技である。

これまでの清純なイメージから一転、初の弁護士役に挑戦した彼女は、職務に真摯に向き合う一方で日々の生活に疲れをにじませる等身大のキャラクターをリアリティたっぷりに演じている。洗練されすぎず、地に足のついた演技だからこそ、視聴者は彼女の感情に共感し、応援したくなるのだ。

『瑞草洞〈ソチョドン〉』は、単なる法廷ドラマではない。登場人物たちは皆、弁護士としてだけでなく、一人の人間として迷い、悩み、時に立ち止まりながらも前へ進んでいく。彼らの姿は、視聴者の胸にじんわりとした余韻を残す。

勝者と敗者、正義と不正の単純な二項対立では語れない複雑な現実を、鮮やかな群像劇として描き出した本作は、今後の韓国ドラマの新たな方向性を示唆する1本といえるだろう。法律の専門知識がなくとも、社会で働くすべての人に通じる共感とエールが、この物語には込められている。

文=大地 康

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