ユ・スンホといえば、『不滅の李舜臣』や『王と私』『太王四神記』などの時代劇に出演し、天才子役の名をほしいままにした俳優だ。
成人した後もすばらしい演技力を見せているが、彼は19歳のときに早くも兵役に入っている。
韓国にも天才子役と呼ばれた人たちが何人もいるが、正真正銘と言えるのは女性ではムン・グニョン、男性ではユ・スンホである。
彼の場合、『カシコギ』では白血病の子供という難しい役をわずか7歳でこなし、映画『おばあちゃんの家』での演技も絶賛された。
2007年には『太王四神記』で、ペ・ヨンジュンが扮したタムドクの子供時代を演じて、さらに注目されている。こうして子役として評価を高めれば高めるほど、彼にとっては不安が大きくなった。なぜならば、韓国にも「子役は大成しない」という妙なジンクスがあるからだ。
しかし、今はこのジンクスも語られなくなった。それは、まさにユ・スンホの功績でもあるのだろう。
彼のキャリアを見ていて特筆すべきなのは、19歳のときに早くも兵役に入っているということである。
一般の人であれば20歳前後で兵役に入るのは普通のことなのだが、天才子役として名声を獲得していたユ・スンホが、俳優活動を中断して兵役に入ったというのは特別な意味を持つ。
実際、彼は2013年3月に現役兵として入隊し、軍務では新兵教育を担いながら2014年の12月に除隊している。
これは非常に稀なケースだった。最近の傾向を見ると、俳優であれK-POPのスターであれ30歳近くまで兵役を延期して、20代のときは芸能活動に専念するというのが当たり前になっているからだ。
確かに、ユ・スンホが19歳で兵役に入るとき、「まだ早すぎる」という様々なアドバイスを受けていたのだが、「僕の年齢で行くのは普通のことなのです」と意に介さず、そのまま兵役に入っている。
結局、彼は21歳で兵役を終えているので、その後は何の憂いもなく俳優活動に専念することができるようになった。2017年には『君主-仮面の主人』で卓越した演技力が称賛されている。
小さいころから俳優活動を続けていて芸能界しか知らなかったユ・スンホ。兵役に入って厳しい軍務に就きながら、同時に新兵たちの教育係になるという貴重な経験をした。さぞかし視野を広げたことだろう。
2014年12月に除隊したとき、ユ・スンホはこう語っていた。
「多くのことを学び、いい思い出も作りました。今後のことを整理できる有意義な時間でした」
「軍隊で考え方が大きく変わりました。今後は、人々に幸せを与えられる俳優になりたいです」
この言葉を聞くと、ユ・スンホが早く兵役に行って本当に良かったと思える。
20歳前後で兵役に行くのは韓国の男性としては当たり前なのだが、芸能界には今まではそういう人がほとんどいなかった。その中で、ユ・スンホは自ら率先して兵役に入り、大きな経験を積んでいる。
彼のスタイルもまた、芸能人の兵役を語るうえで1つの参考例になるだろう。
そのユ・スンホは、2020年に『メモリスト』というドラマに出演している。このドラマではどんな役を演じているのだろうか。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
♢ユ・ユンホ プロフィール
生年月日:1993年8月17日生まれ
身長:175cm
星座:しし座
デビュー:1999年広告<n016>
出身校:白新高校卒業
☆主な出演作
『カシコギ』(ドラマ、2000年)
『ラブレター』(ドラマ、2003年)
『不滅の李舜臣』(ドラマ、2004年-2005年)
『悲しき恋歌』(ドラマ、2005年)
『王と私』(ドラマ、2007年)
『太王四神記』(ドラマ、2007年)
『善徳女王』(ドラマ、2009年)
『美男〈イケメン〉ですね』(ドラマ、2009年)
『ペク・ドンス』(ドラマ、2011年)
『アラン使道伝』(ドラマ、2012年)
『会いたい』(ドラマ、2012年-2013年)
『メモリスト』(ドラマ、2020年)
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