テレビ東京の韓流プレミアで8月4日よりスタートした『トンイ』。この作品は、『宮廷女官チャングムの誓い』で新たな時代劇の潮流を創出した名匠イ・ビョンフン監督が、『イ・サン』で強い絆を結んだ脚本家キム・イヨンと再び手を取り合い、心血を注いで完成させた渾身のドラマである。
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舞台は朝鮮王朝17世紀後半。社会の底辺に生まれながらも、やがて19代王・粛宗(スクチョン)の側室という高貴な地位にまで昇りつめた淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)の波瀾に満ちた生涯を描いている。
主人公トンイを演じるのは、透明感に満ちた笑顔が印象的なハン・ヒョジュである。彼女が扮したヒロインは、数々の不運に打ちのめされそうになりながらも、あたたかな心と揺るがぬ意志を持って、前向きに運命に立ち向かっていく。
相手役となる粛宗を演じるのは、『宮廷女官チャングムの誓い』で穏やかな武官ミン・ジョンホに扮したチ・ジニである。本作では堂々たる王として登場し、その変貌ぶりに多くの視聴者が驚きと感嘆を抱いた。
粛宗は絶対君主として強烈な存在感をもったカリスマ王であるが、柔和な印象の強いチ・ジニが演じたことにより、新たな魅力が一層際立っている。
そして、トンイを陰から静かに見守り続けるチャ・ジョンスを演じるのはペ・スビンだ。ジョンスはトンイの兄の親友であり、かつて命を落としたトンイの父を心から敬愛していた。彼の存在は、過酷な運命に揺れるトンイの心に、ひそやかな灯火のようなぬくもりを与えている。
また、トンイの人生に決定的な転機をもたらす女性チャン・ヒビンを演じるのはイ・ソヨンだ。よく知られているように、チャン・ヒビンは美しさの裏に野望を秘めて宮廷の闇に咲く毒花のような存在だが、イ・ソヨンは理知的に演じていた。
壮大な歴史のうねりと運命に翻弄される人々の哀歓が織りなす『トンイ』。まるで時を超えた絵巻物のように、時代劇が好きな人の心に深く沁み渡る傑作である。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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