大学医学部の入学定員を増員するという政府の計画(2024年2月1日に発表)に反発し、今も研修医たちが医療ストライキを実施している韓国。
その影響により、妊婦を受け入れてくれる病院が見つからず、2時間以上病院を探し回った末に救急車内で出産する出来事も発生した。
そんな状況の中で長らく放送が延期されていたtvN新ドラマ『いつかは賢くなる研修医生活』(原題)が、少しずつベールを脱ぎ始めた。
本作は、ヒットドラマ『賢い医師生活』のスピンオフ作。3月19日に公開されたティザー映像には、産婦人科医になったばかりの研修医たちが、陣痛に苦しむ妊婦を前にどうしていいかわからず戸惑う様子が収められた。
患者にすぐに寄り添えず、ためらう研修医1年目の姿がありのままに描かれている。
彼らの目まぐるしい日常は、一緒に公開された”回診ポスター”からも一目瞭然だ。書類が四方に舞い、片方の靴が脱げても、手に持ったスマートフォンと手帳だけは絶対に離さない彼らの姿から、研修医たちの慌ただしい生活ぶりが感じられる。
しかし、問題は現実だ。
昨年2月から始まった研修医たちの集団ストライキにより、医療空白が長期化している。その影響で国民たちが不便を強いられているのだ。
最近、仁川国際空港で倒れた妊婦が2時間以上も病院からの受け入れを拒否され、救急車内で出産するという出来事があった。
ほかにも、額を負傷した患者が受け入れ先を見つけられず死亡する事件や、飲み会の帰りに転倒して頭を負傷した男性が、受け入れ病院がなく帰宅を余儀なくされた末に亡くなる事件もあった。
医療界と政府の対立が長期化する中で、病院が患者の受け入れを拒否する“救急難民”の問題が絶えず続いている。
このような状況の中、『いつかは賢くなる研修医生活』が果敢に放送を決定した。
ストライキによって国民に反感を買った研修医たちが主人公という、なんとも皮肉な状況となっている。
Netflixの『トラウマコード』が成功を収めたとはいえ、医療ドラマに対する世間の反感は根強い。そんな中、『いつかは賢くなる研修医生活』は果敢に挑戦状を叩きつけた。
ただし、視聴者が現実とドラマを切り離して楽しめるかどうかは謎である。
回診ポスターに対しても、一部のネット民からは「患者を診に走ってるんじゃなくて、ストライキしに行ってるんじゃ?」「休学届を出しに行くみたい」といった嫌味なコメントが寄せられている。
『いつかは賢くなる研修医生活』を手がけたシン・ウォノ監督とイ・ウジョン作家のコンビは、視聴者からの共感を得意技として『応答せよ』シリーズや『賢い医師生活』シリーズを大ヒットさせた。
どれもリアリティあふれる演出と描写が評価されているが、『いつかは賢くなる研修医生活』の場合はそれが裏目にでる可能性もある。今の状況では、明らかなメディカルファンタジーだった「『トラウマコード』より『いつかは賢くなる研修医生活』のほうがファンタジーなのでは?」と揶揄されているのも事実だ。
4月12日の初回放送で、視聴者にどのような評価を受けるのか、注目が集まっている。
『いつかは賢くなる研修医生活』は、『賢い医師生活』のスピンオフ作品として、“賢い医師”を目指す研修医たちが葛藤を乗り越え、成長していく過程を描く。
医療危機や研修医ストライキの影響で公開が長く延期されていたが、ついに4月12日に初放送を迎えることとなった。
(記事提供=OSEN)
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