【泣ける『チャングム』の名場面】師弟愛の美しさは他に並ぶものがない

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韓国時代劇の中で多くの人が『宮廷女官チャングムの誓い』を「最高峰の作品」だと評価している。それほど素晴らしいドラマだったのだが、イ・ヨンエが演じた主人公チャングムが披露する英知にはいつも感心させられた。それを見るのが『宮廷女官チャングムの誓い』の楽しみだったと振り返る人も多いことだろう。

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ドラマの中でチャングムは、幼いころから記憶力が抜群だったし、好奇心が旺盛だった。それゆえ、彼女は料理でも天才的な腕前を培っていけたのだが、師匠となったハン尚宮(ヤン・ミギョンが扮していた)は、弟子のチャングムのことを「味を描く能力がある」と高く評価した。

『宮廷女官チャングムの誓い』第13話では、味覚をなくして自信喪失になったチャングムに対して、ハン尚宮は「味を描く能力がある者は新たな料理を生み出すことができる」と大いに励ましていた。

さらにハン尚宮は、調理場へ来るようチャングムに命じる。突然の話に戸惑うチャングム。それでもハン尚宮はチャングムのことを考えて、味見をさせることなく「テハチム(海老のあえ物)」や「豆腐チョンゴル(鍋)」を料理させるのであった。

味覚がない中で必要な食材や調味料を選びながら、チャングムはこの2つの料理にチャレンジしていく。彼女の脳裏にあったのは、「幼い見習いの日に採ってきた野草について一つずつ教えてくれるハン尚宮の言葉」であった。

『宮廷女官チャングムの誓い』
チャングム(イ・ヨンエ)とハン尚宮(ヤン・ミギョン)(写真=2003-2004 MBC)

忘れられない珠玉の名シーン

それによって、チャングムがどれほど勇気づけられたか。しかも、情があついハン尚宮はチャングムに対して「あなたならできるわ」と信じ切ってくれていた。

チャングムの見習い時代から続いてきたハン尚宮との師弟関係。幼い日のことを思い出し、あらためて師匠への尊敬と信頼を確認したチャングムは、「味を描く能力がある」というハン尚宮の言葉を信じ、勇気をもって挑んで結果を出していったのであった。

こうした師弟愛の場面は、韓国時代劇の中でも忘れられない珠玉の名シーンであった。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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