ユニークな時代劇として人気が高い『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』は、設定が奇抜で、とても引き込まれる。物語の導入部を見てみよう。
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離島で幸せに暮らしていたノクドゥ(チャン・ドンユン)だったが、謎の刺客たちに一家が襲われてしまう。刺客を追いかけたノクドゥは、寡婦だけが住む村が怪しいと察して、すぐに潜入しようとした。
ところが、男子禁制の村なので女装しなければならない。そこで、村のそばの妓楼にいた妓生のドンジュ(キム・ソヒョン)と同居する羽目になった。
ドンジュのほうも、国王の光海君(クァンヘグン)に復讐するために暗殺を狙っている。かくして、ノクドゥとドンジュは、家族の怨みを晴らすために協調していく……。
こうして物語が進んでいく『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』。主役コンビのチャン・ドンユンとキム・ソヒョンの相性がいい。
チョン・ノクドゥに扮するチャン・ドンユンは、新進スターながらスケールが大きい表現力を持っている。ドンジュになりきるキム・ソヒョンは、子役出身の人気女優で、美しいヒロインを大胆に演じている。
ドラマにはラブコメ場面がたくさんあるが、同時に、復讐を狙う緊迫した展開も多い。このように、スリリングな流れで物語が派手に続くのが『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』の大きな特徴だ。
なんといっても、チャン・ドンユンの女装姿が目立つ。特に、河原で風を浴びているときの映像はハッとするほどのドキドキ感がある。また、男勝りのドンジュをより強烈に見せているキム・ソヒョンの存在感もメリハリが効いている。
また、物語の後半は王位をめぐる歴史的な争いが重厚に描かれていた。護衛武士となったノクドゥが見せるアクションシーンは本格的で、とても見応えがあった。
〔『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』ドラマ概要〕
制作/KBS、2019年
演出/キム・ドンフィ、カン・スヨン
脚本/イム・イェジン、ペク・ソヨン
出演者(演じた役名)/チャン・ドンユン(チョン・ノクドゥ)、キム・ソヒョン(トン・ドンジュ)、カン・テオ(チャ・ユルム)、チョン・ジュノ(光海君)、キム・テウ(ホ・ユン)
文=康 熙奉(カン ヒボン)
作家。1954年東京・向島で生まれる。韓国の歴史・文化・韓流や日韓関係を描いた著作が多い。『知れば知るほど面白い 朝鮮王朝の歴史と人物』を含めた朝鮮王朝三部作は70万部を超えるベストセラーとなった。最新刊は『朝鮮王朝「背徳の王宮」』。
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