ドラマ『イ・サン』の前半において典型的な悪役として目立っているのがチョン・フギョムで、チョ・ヨヌが演じている。彼は英祖(ヨンジョ)の娘である和緩（ファワン）王女の養子だ。和緩王女は世孫(セソン)となっているイ・サンの最大の批判的な人物である。そのファワン王女が自分の手先として使っているのが養子のチョン・フギョムなのだ。
【関連】【『イ・サン』の恐るべき叔母】世孫の即位を邪魔する悪女とは誰なのか
彼は役職としては承旨(スンジ)になっている。承旨というのは国王の秘書的な役割をする官僚であり、国王のすぐそばにいるので王宮の中でも一番の情報通だ。その立場を利用してチョン・フギョムはイ・サンに対抗する老論派の参謀として働いていく。
結局、和緩王女が悪事を重ねてイ・サンを追い詰めようとする時、その現場に必ず現れてくるのがチョン・フギョムなのである。
とても冷酷な人物なのだが、俳優のチョ・ヨヌはこのチョン・フギョムを感情も出さずに冷静に演じている。それがかえって不気味さを生んでおり、『イ・サン』というドラマでチョ・ヨヌのキャラの見せ方は本当に巧みだ。
そんなチョ・ヨヌは、『イ・サン』以前には『オールイン 運命の愛』『不良主夫』に出演している。
『オールイン 運命の愛』は、イ・ビョンホンがギャンブラーのキム・イナ、ソン・ヘギョがイナの恋人である修道女ミン・スヨン、チソンがイナのライバルである御曹司チェ・ジョンウォンを演じたドラマだ。
本作で俳優としてデビューしたチョ・ヨヌは、日本人ヤクザ役で登場していた。
『不良主夫』は、ソン・チャンミンが元アマチュアボクシング選手の専業主夫ク・スハン、シン・エラがピザ会社に勤務するスハンの妻チェ・ミナを演じた作品である。
このドラマでチョ・ヨヌは、ミナの上司で企画室長のチ・ソヌ役を務めていた。
チョ・ヨヌは他にも、『神様、お願い』では、ユン・ジョンビ扮するイ・ジャギョンの元恋人の人気俳優キム・チョンハを演じ、『キツネちゃん、何しているの?』では、チョン・ジョンミョン扮するパク・チョルスの恋敵で泌尿器科医師のペ・ヒミョンを演じている。
モデル出身の俳優として演技の経験を積んできたチョ・ヨヌ。その演技力は『イ・サン』でもしっかりと発揮されている。
文＝大地 康
■【関連】【『イ・サン』の重要歴史解説】老論派はなぜイ・サンの命を狙ったのか
前へ
次へ
.jpg)
