今年上半期の韓国ドラマの話題作を振り返ってみると、なんといっても『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』が一番の衝撃的な作品だった。
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このドラマはソン・ヘギョが演じるムン・ドンウンが高校時代にあまりにもひどいいじめを受け、それを18年後に復讐していく物語であった。高校時代にムン・ドンウンをいじめたのは5人。この連中は18年後も性格が変わらず虚飾にまみれた人生を送っていた。そこにムン・ドンウンが現れて、用意周到な復讐劇を仕掛けていく。
その中で一番感心したのは、やはりムン・ドンウンの執念である。彼女は絶対に復讐を諦めなかった。高校時代にヘアアイロンを受けて身体にたくさんの傷が残ったが、その傷を見るたびに復讐心を燃え上がらせたことだろう。
しかし、ムン・ドンウンは決して感情的な女性ではなかった。彼女は復讐を遂げるために本当に地道な努力を続けていた。例えば、一番の標的であるパク・ヨンジン(イム・ジヨン)に仕返しするために、彼女の小学生の娘の担任になっている。つまり、努力して小学校の教師の資格を得ているのだ。
さらに、パク・ヨンジンを追い詰めるために、彼女の夫であるハ・ドヨン(チョン・ソンイル)に近づいている。彼は建設会社の社長だが、囲碁が趣味ということで、ムン・ドンウンも囲碁を学んでいく。
その際に師匠の役目を果たしたのがチュ・ヨジョン(イ・ドヒョン)であり、彼は本当にムン・ドンウンにとって最大の協力者になった。そして、ムン・ドンウンは囲碁の達人となり、ハ・ドヨンに一目置かれる存在となった。
このように、小学校の教員の資格を取り、囲碁の達人にもなるということは、容易にできることではない。復讐を成し遂げるために必要なことをムン・ドンウンは18年をかけて地道にやり遂げた。その結果、彼女自身も人間として成長したのである。
いわば、『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』というドラマはムン・ドンウンの輝かしい成長物語ともいえる。そのプロセスがこのドラマにさらなる深みを与えていた。
文=大地 康
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