第82回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に正式招待された映画『どうしようもない』で、イ・ビョンホンが新たな姿で観客の前に登場する。彼が演じるのは、自分だけの戦争を始める求職者“マンス”役である。
本作『どうしようもない』は、すべてを手に入れたと感じるほど人生に満足していた会社員マンス(演者イ・ビョンホン)が、突然の解雇によって人生の歯車を狂わされ、妻と2人の子ども、そしてようやく手に入れた家を守るために、再就職に向けて自らの「戦争」に挑む姿を描いた作品である。
『イカゲーム』シリーズをはじめ、『KCIA 南山の部長たち』『白頭山大噴火』『コンクリート・ユートピア』『インサイダーズ/内部者たち』など、数々の話題作で圧倒的な存在感を発揮してきたのがイ・ビョンホンだ。
近作『勝負』では天才囲碁棋士チョ・フニョンを演じ、『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』では悪霊クィマの声を担当するなど、ジャンルを問わず果敢に挑戦を続けている。そんな彼が今作『どうしようもない』のマンス役を通じて、また新たな顔を見せてくれるだろう。
25年間勤め上げた製紙工場を突然解雇され、再就職を目指すことになったマンス。面接ではことごとく落ち続け、ついには手塩にかけて手に入れた家を手放さざるを得ない状況に追い込まれる。
絶望の淵に立たされたマンスは、切実な思いで“自分だけの戦争”に踏み出す。人生に対する満足と誇りにあふれていた頃から、解雇をきっかけに不安に蝕まれていく姿まで、イ・ビョンホンは追い詰められた男の複雑な心情を繊細に表現し、物語への没入感を高めている。
「極限の状況をどうすれば説得力を持って見せられるかを一番に意識して演じた」と語るイ・ビョンホンは、役への深い思索と覚悟を明かし、今作での活躍を予感させる。
一方、これまで『JSA』『美しい夜、残酷な朝』に続いて3度目のタッグとなるパク・チャヌク監督は、「イ・ビョンホンという俳優は実に多くの表情を持っている。必要に応じて瞬時に感情を切り替えることができるので、最初から最後までまったく退屈することがなかった」と絶賛した。
映画『どうしようもない』は、9月公開される予定だ。
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