韓国ドラマを見ていると、いくつものドラマに同じ俳優がひんぱんに出演していることが多い。
ときには、同時期に放送される複数のドラマに掛け持ちする俳優もいるほどだ。それほど、重複出演が当たり前になっている。特に、韓国で重複出演の割合が圧倒的に高いのはベテラン俳優たちだ。その背景を見てみよう。
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21世紀に入って韓流ブームが起きたが、それ以前に韓国では俳優に対する社会的地位が意外と低かった。そのため報酬も少なく、俳優業だけで食べていけない人たちも多かった。決して恵まれているとは言えない職業だっただけに、初めから敬遠する人や志があっても途中で辞めてしまう人もいた。
そうした苦しい時代を生き抜いた人たちが、現在ではベテラン俳優として韓国ドラマを支えている。報酬も昔に比べれば格段によくなったが、韓流ブーム以降にドラマの数が急増したのに比べ、ベテラン俳優たちの絶対数は足りていない。
さらに、キャスティングの偏重が重複出演に拍車をかけている。たとえば、主役の引き立て役になるベテラン俳優たちに求められるのは、質の高い安定した演技力だ。それゆえ、テレビ局もドラマ制作会社も、過去のドラマに起用して評価の高かったベテラン俳優たちを何度も使おうとする。
そういう傾向があるので、限られたベテラン俳優ばかりが助演として視聴者の前に姿を現すことになる。たとえば、キム・ソニョンやキム・ヘスクのように……。
ベテラン俳優たちも年齢層が近いためか、みんな同じような雰囲気をかもし出してしまう。こうした重複出演は、韓国ドラマ全体が常に抱えている問題でもあるのだ。
とはいえ、ベテラン俳優の演技力を疑問視する声はほとんどない。それだけ、卓越した実力を備えている人が多いということなのだろう。
結果的に、そうした演技力の高いベテラン俳優に出演依頼が殺到してしまっているのも事実だ。かくして、俳優の重複出演は今後も韓国ドラマの世界で変わらずに続いていくことだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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