パク・ボゴムが主演していた『グッドボーイ』。彼が扮するユン・ドンジュは、かつてボクシングの金メダリストで性格が無鉄砲だ。同じく射撃で金メダルを獲得したチ・ハンナ(演者キム・ソヒョン)と恋仲になっている。
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ライバルがフェンシングの銀メダリストだったキム・ジョンヒョン(演者イ・サンイ)。大企業の御曹司なので危険な仕事に就く必要はないのだが、メダリストの特別採用に応募して警察官となった。間違いなくチ・ハンナが特別採用されていることが関係している。
結果的に、キム・ジョンヒョンとユン・ドンジュは仲が悪い。特に、ユン・ドンジュがキム・ジョンヒョンにいつも八つ当たりをしていたのだが…。大人の対応でキム・ジョンヒョンはトラブルを持ち込まなかった。常に冷静沈着なのだ。
このように、『グッドボーイ』で準主役を担っているイ・サンイは、何を演じても品の良さが出てしまう。まさに、準主役として最高の雰囲気を出せる俳優なのだ。
思い出すのは、『五月の青春』(2021年)だ。1980年5月の光州(クァンジュ)事件を題材にしたドラマで、医者の卵のファン・ヒテ(イ・ドヒョン)と看護士キム・ミョンヒ(演者コ・ミンシ)の激しいラブロマンスが描かれていた。
イ・サンイが演じたのは、ミョンヒの親友の兄のイ・スチャンだ。彼もミョンヒを愛していたが、口には出せない。遠くから見守っているだけなのだ。その控えめなキャラクターも本当によかった。
再び『グッドボーイ』に話を戻すと、キム・ジョンヒョンは子供のようにふるまうユン・ドンジュを相手にしなかった。ただし、巨悪を逮捕するためにはチーム同士の協力が必要だ。そこで、キム・ジョンヒョンはユン・ドンジュと仲直りをした。その際には、キム・ジョンヒョンが一歩譲る余裕を見せている。
結果的に、チ・ハンナの愛を得られなかったが、最高級の準主役の務めは立派に果たしていた。イ・サンイは、本当に好印象が残る素敵な俳優である。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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