テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『コッソンビ 二花院(イファウォン)の秘密』は、4月17日に第10話がオンエアされた。その終盤で、ついに「番人」が自分の顔をさらすことになった。
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このドラマでは、暴君の国王イ・チャン(ヒョヌ)が必死に捜している廃世孫のイ・ソルがキーパーソンだった。結局、イ・ソルはカン・サン(演者リョウン)であることが明らかになったのだが、そうなると、イ・ソルを守り抜いてきた「番人」の正体がますます謎めいてきた。
この「番人」は主君が大ピンチになると、どこからともなく現れて、超人的な剣さばきによって敵を抹殺してしまう。本当に恐ろしい男なのだ。
そして、今回、カン・サンは怪しい文によって呼び出されて、河原で大勢の敵に囲まれた。絶体絶命の場面になったとき、颯爽と「番人」が現れ、一気に10人ほどの男たちを斬り殺してしまった。
そのうえで、「番人」はカン・サンの前にひざまずき、ゆっくりと顔を覆っていた覆面を取っていった。見えてきた素顔は、なんと、キム・シヨル(演者カン・フン)であった。
キム・シヨルといえば、今まで軽薄だと思われてきた男だ。確かに、柔らかい感性を持っているのだが、奔放という言葉が似合うほど女遊びに身を委ね、賭け事に心を奪われていた。しかし、夜になると艶やかな世界に身を投じる彼の姿に滲むのは、ただの享楽ではなかった。
酒場での笑い声や勝負に勝ったときの微笑みの影に、ふと見え隠れする哀愁…それは、過ぎ去った誰かへの想いや、叶わぬ約束を胸に抱いた男の、はかない叫びにも似ていた。
そんな複雑な感情の流れを、俳優カン・フンが繊細に表現していた。結局、カン・フンの演技は、ただの軽薄な男では終わらせないという豊かな内面と人間の奥深さを感じさせる。こうしたカン・フンの存在感によって、『コッソンビ 二花院(イファウォン)の秘密』はゾクゾクするような新しい展開を見せるようになった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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