テレビ東京系列の「韓流プレミアム」枠で放映されている韓国時代劇『オクニョ 運命の女(ひと)』で登場する王様・明宗。朝鮮王朝の歴代王のなかで、最も王の権威を地に落とした人物と言われる、第13代王・明宗(ミョンジョン)。『オクニョ』ではソ・ハジュンが演じているが、そのほかにもドラマで登場している。
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『林巨正(イム・コッチョン)~快刀イム・コッチョン』ではイ・ヒョンジョンが、『不滅の李舜臣(イ・スンシン)』ではホン・ユニが演じている。
1545年、異母兄の仁宗(インジョン)(第12代王)から王位を継いだ明宗だったが、当時まだ11歳。そのため代理政治である「垂簾聴政(スリョムチョンジョン)」が、母・文定大妃によって行われた。
彼女が王権を代理することになると、朝廷の権力は彼女の弟・尹元衡(ユン・ウォニョン)一派が掌握するようになった。
尹元衡は中宗時代から仁宗の実母である章敬王后尹氏(チャンギョンワンフユンシ)の兄・尹任(ユン・イム)一派と王位継承権をめぐって、権力争いを行っていた。
尹任一派は大尹(テユン)、尹元衡一派は小尹(ソ ユン)と呼ばれ、大尹と小尹は互いに反目しあっていた。
仁宗の即位当時は大尹派が士林派(サリム パ)を登用して気勢をあげていたが、明宗が即位して文定大妃が王権を代理するようになると、事態は反転。
尹元衡は明宗の即位直後から、大尹派を追放しはじめた。士林派勢力は幽閉された。この事件は「乙巳士禍(ウルササファ)」と呼ばれている。
「乙巳士禍」によって朝廷を掌握した尹元衡は、さらに徹底的に大尹派を追放。文定大妃も大尹派を粛清し、こうして尹元衡は朝廷を完全に手中におさめた。
尹元衡は権力を独占すると、部下に要職を与える見返りに、多額の賄賂を要求した。その品物があまりに多かったため、彼の自宅前は市場さながらだったという。
明宗が成人となった1553年に垂簾聴政が終わったことによって、形式上とはいえ王による親政を開始した明宗は、ことの深刻さに気づいて、尹元衡を牽制する対抗勢力を形成しようとする。
だが、垂簾聴政が終わって以降も明宗はまったく無力であった。
文定王后は自分が望んでいることを紙に書き、それが受け入れられないと、王を呼んで叱りつけた。ときには手をあげることもあったというから驚きだ。
『オクニョ』はこうした明宗時代を背景にしている。(つづく)
文=森下 薫
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